超小型車VS屋根付き3輪バイク
記事「超小型車VSミニカー」の訪問者が多かったため、今回は「超小型車」と「屋根付きの3輪バイク」を比較し、それぞれの特徴を紹介します。
写真と動画で比較
超小型車と屋根付き3輪バイクを写真と動画で紹介します。
まずは超小型車。2015年頃に販売予定の日産の2人乗り超小型車「日産ニューモビリティ」はこんな感じです。(下の写真)
(出典:日産「日産ニューモビリティコンセプト」)
一方、Adivaが販売予定の125CCクラスの屋根付き3輪バイク(前方2輪+後方1輪)「AD tre」はこんな感じです。
(出典:Adiva Japan「ADtre」)
どちらも側面がありません。そのため、暴風雨の時は運転者がびしょ濡れになります。両車の違いは、超小型車が電気自動車、ミニカーがガソリン車です。
超小型車とは、環境に良い1~2人乗りのコンパクト車
超小型車とは、国土交通省の定義によれば、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両」です。
(税金面で優遇される)超小型車の法案はまだ成立していません。しかし、毎年多額の政治献金を出している自動車業界が、政府に認可するように圧力をかけています。2015年~2016年度までに市販化を目指して、日本の各自動車メーカーは走行実験などを行なっています。
フランスやドイツ、イタリアなど10カ国以上では1~2人乗り電気自動車が既に販売されており、日本でも日産やホンダから販売されるでしょう。
超小型車の法案が通れば、こんな特徴があります。
- 1~2人乗り
- 電気自動車
- 大きさは軽自動車より一回り小さい
- 排気量125cc以下、定格出力8kW以下
- 最高時速80キロ
- 公道は走行できるが、高速道路は走行できない
- 車検不要
超小型車は電気自動車のため、形が自由な自動車を作ることができます。そのため、以下の動画の様な重心を傾けて走行できる自動車の開発に成功しています。
上の動画は日産の「ランドグライダー」です。2009年10月、東京モーターショーで発表したコンセプトカーですが、市販化や量産化はされていません。
ミニカーと超小型車を徹底比較
超小型車と屋根付き3輪バイクを比べた結果を表にしました。
超小型車 (推定) |
屋根付き3輪バイク (125CCクラスのもの) |
|
---|---|---|
排気量 | 125cc以下 | 125cc以下 |
最高出力 | 15kW程度 | 15kW程度 |
全長 | 3.4m以下 | 2.5m以下 |
全幅 | 1.48m以下 | 1.3m以下 |
乗車定員 | 1~2人 | 1~2人 |
最大積載量 | 小口配送程度 (推定30~100kg) |
60kg |
シートベルト | 必要 (時速30キロ以上) |
不要 |
車庫証明 車検 |
不要 | 不要 |
原動力 | 電気 | ガソリン |
最高速度 | 時速60~80km | 時速80km |
1充電(給油)走行距離 | 50~100km | 300km (6L×50km/L) |
1充電(給油)時間 | 急速:数十分 通常:数時間 |
数分 |
1キロあたりの走行コスト | 約2.4円 | 約3.2円 (1Lあたり160円で計算) |
保険代 | 推定年6万円 | 年5万円 |
価格 | 約70万円 | 約50万円 |
(「超小型車」と「50CCクラス3輪バイク」の比較は記事「超小型車VSミニカー」へ。)
現時点で、電気自動車の欠点のほとんどは充電池が原因です。大手メーカーの電気自動車の充電池はリチウムイオンが使われ、日産「リーフ」の場合、自動車本体価格の半分を占めると言われています。
充電池の価格低下が、電気自動車普及の鍵です。将来、充電池の価格が下がれば走行距離が長くなり、超小型車の優位性が上がります。