非犯罪化して薬物中毒者を半減させたポルトガル
違法薬物が合法化されると中毒者が増えるのではないかと言われていましたが、マリファナから覚せい剤まであらゆるドラッグが非犯罪化されたポルトガルでは、薬物中毒者が半減しました。
ヨーロッパ最悪の麻薬大国だったが薬物中毒者もHIVも大幅減少へ
下の動画に登場するジャーナリストのジョハン・ハリ氏が、ヨーロッパ最悪の麻薬大国だったポルトガルが薬物中毒者を減らした方法について紹介しています。
ジョハン・ハリ氏によれば、2000年、ポルトガルの薬物問題はヨーロッパの中でも最悪レベルであり、人口の1%がヘロイン中毒となっていました。
一方、ポルトガル政府は薬物使用者に対して刑罰を強化していきましたが、薬物中毒の問題は解決しませんでした。
そこで、マリファナから覚せい剤まであらゆるドラッグを「非」犯罪化し、今まで薬物使用者に対して使っていた逮捕、裁判、刑務所にかかる費用を薬物依存者の更生施設や就労支援にかける方針に転換しました。
すると、注射器系の薬物使用は50%も減少し、薬物の過剰摂取も大幅に減り、さらにHIV患者も大幅に減りました。
ヘロイン使用者の95%が薬をパッと止めた
「麻薬に一度手を出せば止められなくなる」といったことがよく語られていますが、ジョハン・ハリ氏は麻薬の中でも依存性や中毒性が非常に高いヘロインについて以下のように述べています。
ベトナムではアメリカ兵の20%がヘロインを大量使用していました 当時のニュース報道を見ればわかると思いますが皆がこれを非常に憂いていました 「大変だ 終戦後には アメリカの街中に何十万人のジャンキーが溢れてしまう」 そう思って全く当然ですね ヘロインを大量に摂っていた兵士達は追跡調査を受け総合精神医学誌が非常に綿密な研究を行いました さてどうなったでしょう? 兵士たちに更生施設は必要なく 禁断症状も出ませんでした 95%がクスリをパッと止めたのです
(出典: TED Talk『ジョハン・ハリ: 「依存症」―間違いだらけの常識』)
ヘロイン使用者の95%が薬をすぐに止めた事例から、「麻薬に一度手を出せば止められなくなる」という理論は根本的に間違っていることがわかります。
ポルトガルで注射器系の薬物使用が50%減少したことを考えれば、本来は薬物を問題視するのではなく、依存症を作り出した根本原因を解決することが重要です。
注意:本記事は薬物の使用を推奨するものではありません。