ネトウヨが日本という宗教を崇拝する医学的な理由

ネトウヨ(ネット右翼)が「日本」という宗教に魅力を感じて崇拝する理由を、精神科医が自己顕示欲や承認欲求という観点から解説しています。

大きくて持続性があるものほど魅力的に感じる

ネトウヨは自身が日本人という優越感に浸って国旗を掲げ、まさに「日本」という国家を宗教のように崇拝しています。

精神科医・片田珠美氏の著書「孤独病」では、このようなネトウヨが国家に魅力を感じてしまう理由を以下のように解説しています。

 だがクスリにしてもネットの自撮りにしても、満たされない自己愛が埋まるのは、ほんの一瞬だけである。束の間ではなくできるだけ長く続くものはないのか。宗教やカリスマ性を持った経営者のいる会社が、そんな欲求の受け皿になることも少なくない。

 なかには国家を受け皿にする人もいる。いわゆるネット右翼と呼ばれる人たちがそうだ。自己愛が投影できる対象は大きくて持続性があるものほど、必然的に裾野が広くなるからだ。国のように大きなものは永遠に続くかのような錯覚を人に与えるので、なおさら魅力的に感じるのだろう。

(片田珠美・著「孤独病」より)

片田氏によれば、ネトウヨは自己顕示欲や承認欲求を求め、自分の気持ちの受け皿となる対象物を探した結果、国家という巨大な対象物に魅力を感じてしまうのです。

規則がないため自由に行動できる

ネトウヨが信仰する「日本」という宗教と伝統的なキリスト教の違いを表にまとめました。

【ネトウヨとクリスチャンの比較】
日本 キリスト教
信者 ネトウヨ クリスチャン
崇拝対象 政治家、専門家 イエス・キリスト
経典 なし 旧約聖書と新約聖書
規則 なし あり

様々な教えを説いて死んでいったイエス・キリスト。クリスチャンにとってその大きな存在が消えることはありません。

同様に、ネトウヨにとって日本という消えない存在が心のよりどころとなっているのです。

一方、日本という宗教は経典がないため規律もなく、独自の価値観で自由に行動できます。

よって、韓国メーカーのパーツが搭載した中国製のMacやiPhoneを使って、ネトウヨが韓国人や中国人を罵倒するのは一見矛盾した行為に見えますが、独自に規則を決められる彼らにとっては問題のない行動です。

自己愛を守るため排外的な行為を行う

国民の代弁者として政治家が存在しますが、ネトウヨにとっての代弁者は安倍晋三や自民党、その他の右翼政党、そしてそれらを支持する評論家や専門家です。

しかし、例えばネトウヨの代弁者である自民党が潰れれば、彼らにとって自己愛を投影できる対象がなくなります。

そのため、ネトウヨが毎日必死になって野党議員に排外的な言論を浴びせたり、野党の活動を妨害したりするのも、自己愛を満たす対象物を守るという点で見れば合理的な行動です。