ヤマダ電機VSケーズデンキ、お得な買い方

「日経ビジネス」の調査をもとに家電量販店のアフターサービスをランキングで紹介し、各社の価格とアフターサービス戦略を比較します。

ヤマダとケーズの違いのまとめ

ヤマダ電機とケーズデンキのアフターサービスの差は企業戦略の違いから生じています。「見た目美人のヤマダ電機」と「性格美人のケーズデンキ」、2つの家電量販店の違いを大まかに下の表にまとめました。

【ヤマダとケーズの違い】
ヤマダ型 ケーズ型
価格 安い 高い
アフターサービス 悪い 良い
リピーター 少ない 多い
宣伝費 多い 少ない
利益率 少ない 多い
売上の推移 激しい 緩やか

2つの対局する家電量販店の戦略を解説します。

価格が安いとアフターサービスが悪い

日経ビジネスの消費者満足度調査ではヤマダ電機が毎年ワースト1位、ケーズデンキが2010年~2014年ベスト1位です。

【家電量販店のアフターサービスランキング】
2012年 2013年 2004年
ケーズデンキ 1位 1位 1位(53.2)
ヤマダ電機 最下位 最下位 最下位(12.2)

()内は満足度指数

(詳しい消費者満足度のランキングは家電量販店のアフターサービスランキングへ。)

下の図のように価格とアフターサービスは比例します。
価格とアフターサービスの比例関係

アフターサービスを良くすると、その分価格も上昇します。

企業としてどれくらいアフターサービスを重視するのか、悩みどころですが、アフターサービス・ワースト1位のヤマダ電機は極端にアフターサービスを悪くし、商品の価格を安く設定しています。

一方、アフターサービス・ベスト1位のケーズデンキで販売されている商品は価格が高いです。

ケーズデンキは高い価格を安く見せるため、ポイントを付けずに、ポイント分を値引きし、表面的な割安感を出しています。

ケーズデンキはリピーターが多い

「真夏にエアコンの修理を依頼すると3週間かかった!」、なんてことが起こると、エアコンの購入者は怒り、エアコンを購入した家電量販店で二度と購入しなくなります。

つまり、アフターサービスが悪いとリピーターが減るのです。

反対に、下の図のようにアフターサービスが良いと、その分リピーターも増えます。
リピーターとアフターサービスの比例関係

ケーズデンキはアフターサービスを良くすることで、リピーターを増やしています。

一方、ヤマダ電機は十数年連続でアフターサービス・ワースト1位ですが、創価学会という強力なバックアップがあるため、リピーターが減りにくい仕組みを作っています。(ヤマダ電機と創価学会の関係性についてはヤマダ電機の安さの裏で!)

リピーターは少ないコストで宣伝できる

よく会員登録している家電量販店から宣伝のメールやハガキが来ます。家電量販店は購入者の(年齢・購入履歴などの)データから次に購入する商品を予想し、的確な宣伝を行うことができます。

つまり、リピーターは少ない宣伝費で商品を販売することができます。一方、新規購入者に対しては、新聞やテレビなどで多額の宣伝費用がかかります。

家電量販店がポイントカードの会員登録を積極的に勧めるのは、コストのかからないリピーターをたくさん獲得するためです。

宣伝費と低価格により利益が小さくなる

ヤマダ型の家電量販店は宣伝費が大きく、価格が低いため利益が小さくなります。そのため、小さい利益でも大量に商品を販売することで、利益を伸ばします。

結論:消耗品はヤマダ型、白物家電はケーズ型で購入する

ヤマダ電機とケーズデンキ、どちらで買えばお得なのでしょうか?ヤマダ型とケーズ型でそれぞれ購入するものを分けると、両者のメリットを活かせます。

ヤマダ型で購入するとき

  1. 修理期間が長くても我慢できるもの
  2. 代用できるもの(腕時計が壊れても、携帯の時計機能で代用する)
  3. 保証の対象外となるもの(コピー用紙などの消耗品)
  4. 長期保証対象外のもの

ヤマダ型の家電量販店:ヤマダ電機・コジマ・ベスト電器・ミドリ電化

ケーズ型で購入するとき

  1. 修理期間が短くないと困るもの(冷蔵庫・エアコン・洗濯機など)
  2. 長期間保証してほしいもの

ケーズ型の家電量販店:ケーズデンキ・デオデオ・ヨドバシカメラ

私は冷蔵庫やエアコンなど、いざという時すぐ修理してもらわないと困るものはケーズ型で、メーカー保証で十分な、安いものはヤマダ型のお店で買うようにしています。